今日は快晴のもと、糸島市にある神在神社(かみありじんじゃ)と神石(かみいし)を訪れてきました。神社へ向かう道中、黄金色に染まる田んぼの間を抜けるルートは秋の心地よさが満ちており、風に揺れる稲穂が美しく、自然の営みに癒されます。
神在神社を巡る糸島の旅
地域の人々に大切にされている神社。
この自然豊かな糸島の風景に惹かれ、訪れたのが神在神社でした。糸島市の「神在神社」は、地域の人々に長く大切にされている歴史ある神社です。境内には静けさと神聖な雰囲気が漂い、訪れるだけで心が洗われるような場所です。加えて、木々に囲まれた社の周りには柔らかな光が差し込んでいます。神社を散策することで自然の安らぎが心に染み渡ります。そして、自然そのものが優しく見守ってくれているかのような安心感に包まれました。
ところで、今回の自転車旅である家族から教わったことがあります。それは、神在神社での出来事…


やさしさで溢れる家族の姿
柔らかい木漏れ日が差し込む境内で。
木々の間を抜けるように自転車を走らせていると、国道から曲がった道は次第に狭くなっていった。前方に一人の女性が見えた。女性のすぐ後ろを、一台の車がゆっくりと進んでいる。神社が近づくにつれて道幅はさらに狭くなる。運転手は、車に気づいていない女性に軽くクラクションを鳴らした。
最近は電気自動車など静かな車も多いので、私も時々「あっ」と驚くことがある。しかし、女性はクラクションにも気づいていないようだ。そこで、イヤホンか… 音楽に夢中になっていて、周りの音が聞こえていないのだろう。私はそう思いながら、彼女に車の存在を知らせようと自転車にまたがった。
家族を包む光
その時、一人の男性が走りながら近づき、運転手に「すいませーん」と謝罪しながら、女性の手を引いて道路脇に移動させた。男性は身振り手振りを交えて女性と話し始めた。その様子を見て「なるほど」と納得した。二人は40歳前後、夫婦のようだ。すると、10歳くらいの男の子が追いかけてきた。家族で神社に参拝に来たのだろう。あまり広くない境内なので、家族の様子が自然と目に入ってくる。
そこで、子供も楽しそうに身振り手振りを交え、母親と手話で会話している。母親は身をのけぞらせて笑っている。男性は、境内に咲く花を指さし、女性に説明をしている。子供も一緒に父親の話を聞いている。女性は満面の笑みを浮かべ、大きく頷いている。男性も子供も、その笑顔につられるように笑っている。遠目で見ていた私も、思わずニヤリとしてしまった。
愛と呼べるもの
三人は並んで手を合わせ、参拝を始めた。木漏れ日が、そんな家族を優しく照らしている。子供が最初に顔を上げ、母親と父親を見ている。次に父親が顔を上げ、子供を見て、妻に優しい笑顔を向けている。最後に母親が顔を上げた。一呼吸置いてから、静かに目を閉じた。子供や夫のこと、たくさんのことを神様にお願いしたのだろうか。帰りは、子供を中心に三人で手をつなぎ境内を後にした。
家族の姿を見て、私も遠く離れた息子のことを思い出した。無事に過ごしているだろうか、元気だろうか。そんな思いが胸に溢れ、私も息子のために祈った。世知辛い世の中で、この家族から大切なことを教わった気がした。優しさや幸せ、愛とは、こういう瞬間にあるのかもしれない。

神石と鬼滅の刃の関係
人々が訪れるパワースポット。
そして、神在神社から徒歩5分ほどの場所にある「神石」に足を運びました。この神石とは、神が宿るとされている巨石で、その神秘的な雰囲気が訪れる人々を魅了しています。それに加えて、日本中で話題となったアニメ『鬼滅の刃』の影響で、主人公が修行する場面が連想され、今では多くの人々が訪れるパワースポットといわれています。
ともあれ、木々が生い茂り、風に揺れる葉音や鳥のさえずりが耳に心地よく響きます。岩の前で深呼吸すると、自然と一体になったかのような神秘的な力を感じました。この場所でしか味わえない静寂と安らぎがあり、しばし日常を忘れて心を癒すことができます。
神在神社と神石の魅力
田園風景とパワースポットを巡る今回の旅は、心に残る素晴らしいひとときでした。一方で、夏の暑さが厳しく、こまめに水分補給をしながらの散策となりました。ときに「やかんの麦茶」は喉を潤してくれ、自然の中でゴクゴクと飲むひとときは格別でした。
次回は別のルートで、さらに新たな糸島の魅力を探しに行きたいと思います。

